インサイドセールスの面接|第二新卒が聞かれる想定問答12と答え方【2026年版】
〜インサイドセールスの面接は、「断られ続けても続けられるか」を見ています〜
インサイドセールスは、第二新卒が未経験からSaaS業界に入る、最も広い入口です。
訪問をせず、電話とメールで見込み顧客と接点を作り、商談につなげる職種です。
そして、面接には明確な特徴があります。
「断られること」への向き合い方が、必ず問われます。
インサイドセールスは、1日に30〜80件の架電をして、そのうち商談になるのは数件です。
つまり、業務時間の大半は「断られている時間」です。
ここに耐えられるかどうかが、採用の判断で最も重視されます。
そして、耐えられることを「精神論」ではなく「仕組み」で説明できる人が通ります。
この記事では、一次・二次・最終の段階別に12問と、数字の語り方を整理します。
1. 結論:インサイドセールスの面接は3つの軸で採点されている
| 軸 | 見られること | 段階 |
|---|---|---|
| ① 数字で管理できるか | 架電数・接続率・商談化率を意識できるか | 一次・二次 |
| ② 断られ続けても続けられるか | 精神論ではなく仕組みで説明できるか | 全段階 |
| ③ フィールドセールスと連携できるか | 渡した後のことまで考えられるか | 二次・最終 |
③が、意外と見落とされます。
インサイドセールスは、商談を作って終わりではありません。
作った商談が受注につながるかどうかまでが、実質的な評価になります。
「数だけ作って、質が低い」インサイドセールスは、フィールドセールスから信頼されなくなります。
この構造を理解しているかが、二次以降で問われます。
2. 一次面接(人事・ISリーダー)で聞かれる5問
2-1. Q1「自己紹介をお願いします」
「前職では、通信系の代理店で個人向けの営業を1年半担当しておりました。店頭での接客が中心で、1日平均15組のお客様に対応し、月の契約件数は平均22件でした。断られることが前提の環境で、断られた理由を分類して記録し、翌月のトークを変えるということを続けてきました。この、数字を見ながら改善する仕事を、より仕組みとして回せる環境でやりたいと考え、インサイドセールスを志望しております。」
「断られた」経験を、自己紹介の段階で出してください。
この職種では、それが強みになります。
2-2. Q2「インサイドセールスの仕事は、どんな仕事だと思いますか」
| 浅い答え | 深い答え |
|---|---|
| 電話をかける仕事 | 見込み顧客の中から、商談になる相手を見つける仕事 |
| アポを取る仕事 | フィールドセールスが受注できる状態にして渡す仕事 |
| 内勤の営業 | マーケティングと営業の間をつなぐ仕事 |
回答例
「アポイントの数を作ることが目的ではなく、受注につながる商談を渡すことが目的だと理解しています。マーケティングが集めたリードに対して、課題があるか、予算や決裁のタイミングが合うかを確認して、フィールドセールスが提案できる状態にして渡す仕事だと考えています。」
「受注につながる商談を渡す」という言い方を必ず入れてください。
2-3. Q3「なぜインサイドセールスを志望するのですか」
回答例
「前職の店頭営業では、目の前のお客様に対応することはできましたが、来店されない方には何もできませんでした。
こちらから接点を作りにいく形の営業に関心を持ちました。また、店頭では1日15組が上限でしたが、電話とメールであれば、より多くの方に接触できます。数を回して確率を上げる仕事に向いていると考えています。」
2-4. Q4「1日に何件くらい架電できると思いますか」
この質問は、業務の実態を理解しているかを見ています。
回答例
「企業やターゲットによって幅があると理解していますが、一般的には1日30〜80件程度と伺っています。ただ、件数そのものより、接続できた件数と、その中で商談になった件数を見るべきだと考えています。
御社では、1日あたりどのくらいの架電数が目安でしょうか。」
「件数より接続率と商談化率」という視点を出してください。
そして、最後に質問を返すと、実態を知ろうとしている姿勢が伝わります。
2-5. Q5「なぜ弊社ですか」
回答例
「御社のサービスは、導入事例を拝見すると、業務時間の削減という明確な効果が数字で出ています。『月20時間かかっていた作業が3時間になった』という記載がありました。
こうした具体的な効果があるサービスであれば、電話の短い時間でも価値を伝えやすいと考えています。」
インサイドセールスの面接では、「この製品を電話で説明できるか」という視点が有効です。
3. 二次面接(ISマネージャー・営業責任者)で聞かれる4問
3-1. Q6「1日50件かけて、1件も商談にならなかった日があります。翌日どうしますか」
この質問(またはその変形)が、必ず出ます。
「気持ちを切り替えて頑張ります」は、最も評価されない答えです。
回答例
「まず、50件の内訳を確認します。そもそも接続できたのが何件か。接続したうち、話を聞いてもらえたのが何件か。接続すらできていないなら、架電の時間帯やリストの問題です。
接続はできているのに商談にならないなら、トークの問題です。断られた理由を分類して、どこで断られているかを見ます。冒頭で切られるのか、課題は聞けたが次につながらないのか。
そのうえで、翌日は1つだけ変えて試します。複数変えると、何が効いたか分からなくなるためです。」
「内訳を見る→原因を絞る→1つだけ変える」の3段階です。
この答え方ができると、軸①と②の両方を同時に示せます。
3-2. Q7「フィールドセールスから『商談の質が低い』と言われたら、どうしますか」
軸③を見る質問です。
回答例
「まず、どの商談がどう低かったのかを具体的に聞きます。『質が低い』だけでは、何を変えればいいか分かりません。
次に、渡す基準をすり合わせます。予算の有無を確認すべきなのか、決裁者に会えることを条件にすべきなのか。基準が共有されていないと、同じことが繰り返されます。
そのうえで、渡す前に確認する項目を追加します。件数は一時的に減りますが、受注率が上がるなら全体としては正しいと考えています。」
「件数が減ってもよい」と言えることが重要です。
数だけを追う人は、この職種では長期的に評価されません。
3-3. Q8「断られ続けることに、どう向き合いますか」
精神論で答えないでください。
回答例
「断られることを、個人への否定として受け取らない仕組みを作ります。
前職でも同じ状況でしたので、具体的には『断られた理由を分類して記録する』ことをしていました。タイミングが合わない、予算がない、既に他社を使っている、そもそも担当が違う。分類すると、大半は自分の話し方とは関係ない理由だと分かります。
記録に変えると、断られること自体が材料になります。」
「記録に変える」という発想を出してください。
感情の問題を、作業に変換できる人が続きます。
3-4. Q9「前職で、数字を改善した経験を教えてください」
回答例
「店頭営業で、契約率が月によって大きくぶれることが課題でした。
そこで、断られた理由を5つに分類して、3ヶ月間記録しました。すると、全体の4割が『今すぐ必要ではない』という理由でした。
それまでは、その場で契約にならなければ終わりにしていましたが、連絡先を伺って3ヶ月後に再度ご案内する運用に変えました。結果として、月の契約件数が18件から22件に増えました。」
「分類した→気づいた→運用を変えた→数字が動いた」の4段階です。
4. 最終面接(役員・営業本部長)で聞かれる3問
4-1. Q10「3年後、どうなっていたいですか」
インサイドセールスは、その後のキャリアの分岐が広い職種です。
回答例
「1年目は、架電と商談化の数字を安定して出せる状態を目指します。
2〜3年目は、フィールドセールスに進むか、インサイドセールスの仕組みを設計する側に回るかを考えたいです。現時点では、後者に関心があります。トークやリストの設計を、チーム全体に効かせる仕事です。」
「フィールドセールスに早く行きたい」だけだと、インサイドセールスを通過点としか見ていないと受け取られます。
4-2. Q11「1日中電話をかける仕事ですが、大丈夫ですか」
回答例
「問題ありません。前職も、1日中お客様と話す業務でした。
ただ、1日中集中し続けるのは難しいと考えているので、時間帯によって業務を分けたいです。接続率の高い時間帯に架電を集中させ、それ以外の時間でリストの整理やメールの作成をする、という形が現実的だと考えています。御社では、そうした運用をされていますでしょうか。」
4-3. Q12「他社の選考状況を教えてください」
「現在、3社の選考が進んでおります。いずれもSaaS企業のインサイドセールスです。御社が第一志望です。」
5. 面接前日の準備(75分)
| # | やること | 時間 |
|---|---|---|
| 1 | 応募先のサービスを触る/導入事例を3件読む | 25分 |
| 2 | Q6の「内訳→原因→1つ変える」を声に出す | 15分 |
| 3 | Q8の「断られた理由を分類する」話を1本仕上げる | 15分 |
| 4 | 自己紹介60秒を3回音読 | 10分 |
| 5 | 逆質問を3つ書き出す | 10分 |
1が最も重要です。
インサイドセールスは、電話の短い時間で製品の価値を伝える仕事です。
面接で「この製品を、電話で30秒で説明してください」と言われることがあります。
導入事例を読んでおくと、この質問に答えられます。
逆質問の例
| 質問 | 何が分かるか |
|---|---|
| 「1日あたりの架電数の目安を教えてください」 | 業務量 |
| 「SDRとBDR、どちらの役割になりますか」 | 担当範囲 |
| 「フィールドセールスとの商談の受け渡し基準はありますか」 | 連携の成熟度 |
3つ目を聞くと、軸③を理解していることが伝わります。
6. 落ちる回答の型5つ
| # | 型 | なぜ落ちるか |
|---|---|---|
| ① | Q8に「気持ちを切り替えます」と答える | 精神論。再現性がない |
| ② | 数字が1つも出てこない | 管理できない人に見える |
| ③ | 「早くフィールドセールスに行きたい」 | 通過点としか見ていない |
| ④ | Q7で「件数を維持したまま質も上げます」 | トレードオフを理解していない |
| ⑤ | 応募先のサービスを説明できない | 電話で伝えられないと判断される |
7. SDRとBDRの違いを押さえる
インサイドセールスは、役割によって2つに分かれます。
| 役割 | 対象 | やること |
|---|---|---|
| SDR(反響型) | 資料請求・問い合わせをした企業 | 温度の高いリードに対応 |
| BDR(新規開拓型) | 接点のない企業 | こちらから接点を作る |
未経験からはSDRの方が入りやすくなります。
相手が既に関心を示しているため、断られる度合いが低いためです。
BDRは、いわゆる新規開拓に近く、断られる頻度が高くなります。
面接で「SDRとBDR、どちらを担当することになりますか」と必ず確認してください。
そして、志望動機を書くときも、この2つで内容を変えてください。
詳しくは、インサイドセールスの志望動機の記事にまとめています。
8. 面接で見られている振る舞い
| 場面 | 見られていること |
|---|---|
| 話し方 | 聞き取りやすいか(電話が業務のため) |
| 声の大きさ | 小さすぎないか |
| 話の長さ | 1分を超えていないか |
| 質問への反応 | 間が空きすぎないか |
この職種では、話し方そのものが評価対象です。
電話で仕事をするため、聞き取りやすさが実務能力に直結します。
オンライン面接の場合、マイクの品質も確認しておいてください。
音声が途切れる、こもるといった状態は、この職種では特に不利になります。
9. よくある質問
インサイドセールスは未経験でも入れますか?
入れます。SaaS業界では、第二新卒の採用が最も活発な職種の1つです。営業経験があると有利ですが、接客・販売の経験でも接続できます。
テレアポと何が違いますか?
目的が違います。テレアポはアポイントの獲得が目的ですが、インサイドセールスは受注につながる商談を作ることが目的です。顧客の課題や予算、決裁の状況まで確認してから渡す点が異なります。
1日何件くらい架電しますか?
企業とターゲットによりますが、30〜80件が一般的な範囲です。BDRの方が件数は多くなる傾向があります。面接で「1日あたりの目安」を必ず確認してください。
数字のノルマは厳しいですか?
架電数、商談化数などの目標が設定されるのが一般的です。ただし、フィールドセールスの受注ノルマとは性質が異なります。面接で「どの数字が評価対象になりますか」を確認してください。
フィールドセールスに異動できますか?
多くの企業で、その道筋があります。インサイドセールスで製品と顧客を理解してから、フィールドセールスに移る形です。ただし、企業によって異動の実績が異なるため、面接で確認してください。
リモートワークはできますか?
職種の性質上、リモートと相性が良い職種です。電話とオンラインが業務の中心のためです。ただし、企業の方針によるため、求人票と面接で確認してください。
声が小さいと言われますが、不利ですか?
改善が必要です。電話が業務の中心のため、聞き取りやすさは実務能力に直結します。面接の前に、自分の声を録音して聞き返してください。意識するだけで変わります。
年収はどのくらいですか?
SaaS企業のインサイドセールスは、固定給に加えてインセンティブが設定されることが多くあります。ただし、フィールドセールスよりインセンティブの比率は低い傾向があります。求人票の提示額と、インセンティブの仕組みを確認してください。
10. まとめ:前日にやる3つのこと
インサイドセールスの面接で最も問われるのは、断られ続けても続けられるかです。
そして、それを精神論ではなく仕組みで説明できる人が通ります。
前日にやること
① 応募先のサービスの導入事例を3件読む(電話で30秒で説明できるように)
② 「1日50件かけて0件だったら」の答えを、内訳→原因→1つ変える、の順で声に出す
③ 前職で「断られた理由を分類した」経験を1本書き出す(なければ、断られた理由を今から5つに分類してみる)
目安時間:合計55分
③がない場合でも、今から作れます。
前職で断られた場面を思い出し、理由を5つに分類してみてください。それ自体が、面接で話せる材料になります。
この先、読むべき記事
- インサイドセールスの志望動機|未経験・第二新卒の例文7パターンと落ちる型(志望動機の作り方)
- SaaS業界研究|第二新卒が面接前に押さえる3つの数字と職種の全体像(業界の理解)
- SaaS営業の面接|第二新卒が聞かれる想定問答16と、評価される答え方(フィールドセールスの面接)
- カスタマーサクセスの面接|第二新卒が聞かれる頻出質問12と評価される答え方(近い職種の面接)
- 面接の逆質問|第二新卒がそのまま使える30例と聞いてはいけない質問(逆質問の準備)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。