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業界・職種研究

分析・環境調査の受託会社へ転職する|第二新卒が知る職種と入口【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約18分
分析・環境調査の受託会社へ転職する|第二新卒が知る職種と入口【2026年版】

〜法律で定められた検査が、需要を作っています〜

工場の排水、建物の空気、食品の成分、土壌の状態。

これらは、法律や基準にもとづいて定期的に測定されています。その測定を請け負うのが、分析受託と環境調査の会社です。

需要が制度に支えられているため、景気の影響を受けにくい領域です。そして、人手不足が続いており、未経験からの採用もあります。

この記事では、事業の型と職種を整理します。

なお、法令や資格制度に関する記述は一般的な整理です。詳細は各制度の所管機関に確認してください。

1. 結論:押さえるのは3つ

この業界を見るときの3つの視点

現場での採取と、実験室での分析は別の仕事

需要が制度に支えられており、変動が小さい

正確さと記録が、すべての基準になる

①を確認せずに入ると、想像と違うことになります。

外に出る比率は、会社と職種によって大きく変わります。

2. 事業の4つの型

扱う対象で分かれます。

内容主な顧客
環境分析水質、大気、土壌、騒音自治体、工場、建設会社
食品分析成分、細菌、添加物食品メーカー、小売
建材・室内環境建物の空気、建材の成分建設会社、不動産
製品試験材料の強度、性能メーカー

1つめが、この業界で最も規模の大きい領域です。

法令にもとづく定期的な測定が、継続的な仕事になります。

型で変わること

  • 環境分析:屋外での採取がある。自治体の年度末に繁忙期
  • 食品分析:実験室での作業が中心。衛生管理が厳しい
  • 建材・室内環境:建物への立ち入りがある
  • 製品試験:メーカーの開発に近い

求人票で、扱う対象を確認してください。

3. 現場と実験室の違い

働き方が大きく変わる分かれ目です。

区分業務特徴
現場(採取)試料を採る、測定機器を設置する屋外。天候と移動がある
実験室(分析)機器で測定する、数値を出す屋内。手順の正確さが問われる
報告書の作成結果をまとめ、顧客へ提出する事務作業。期限がある

多くの会社では、複数を担当します。

若手のうちは現場の比率が高く、経験を積むと分析や報告の比重が上がる形が一般的です。

現場の実際

  • 早朝に出発することがある
  • 遠方の現場では宿泊を伴う
  • 天候の影響を受ける
  • 2〜3名で動くことが多い

環境分析では、この比率が高くなります。

実験室の実際

  • 決められた手順を正確に守る
  • 記録を細かく残す
  • 機器の管理と点検
  • 結果の確認と再測定

手順を飛ばさないことが、最も重視されます。

顧客の構成で変わる

同じ分析会社でも、顧客によって仕事が変わります。

顧客特徴
自治体年度単位の契約。年度末に集中
工場・メーカー定期的な測定。関係が長く続く
建設会社工事の期間に合わせる
個人・小規模事業者件数が多く、単価が小さい

2つめが中心の会社は、繁忙の波が比較的なだらかになります。

面接で「顧客はどの層が中心ですか」と聞くと、1年の流れが読めます。

4. 無資格で入れる職種

資格がなくても入口があります。

職種業務資格
分析補助・技術補助試料の準備、機器の補助不要
現場の採取担当試料の採取、機器の設置不要から始められる
分析技術者機器による測定経験を積んで担当する
報告書の作成結果のとりまとめ不要
営業・受注顧客からの受注、見積もり不要

第二新卒が未経験から入りやすいのは、1つめと2つめです。

働きながら資格を取る前提で採用する会社が多くあります。

文系でも入れるか

入れます。

ただし、化学の基礎的な知識を入社後に学ぶ必要があります。

理系の学部卒が有利ではあるものの、正確さと手順を守る力のほうが実務では重視されます。営業や報告書の作成であれば、文系の経験がそのまま活きます。

5. 資格と手当

この業界も、資格が待遇に関わります。

資格内容
環境計量士国家資格。環境分析の中核
作業環境測定士職場の環境測定に必要
公害防止管理者工場側でも需要がある
危険物取扱者薬品を扱う現場で有利
食品衛生管理者食品分析の分野

資格手当を設けている会社が多く、月額で支給されることが一般的です。

取得の順番

  • 入社1〜2年目:危険物取扱者など、基礎的な資格
  • 実務経験を積む
  • その後:環境計量士、作業環境測定士

会社が受験費用を負担する制度があることが多いため、面接で確認してください。

なお、資格の要件は制度で定められています。詳細は各試験の実施機関に確認してください。費用の支援がある場合は、退職時の扱いも確認しておくと後で迷いません。

6. 働き方の実際

制度にもとづく需要が、リズムを作っています。

項目実際
繁忙期自治体の年度末(1〜3月)に集中
現場天候で日程が動く
出張現場が遠方の場合、宿泊がある
実験室測定に時間がかかるものがある
期限報告書の提出期限は動かない

公共の案件が多い会社ほど、年度末に集中します。

面接で確かめること

  • 「現場と実験室の比率は、入社1年目でどのくらいですか」
  • 「公共と民間の比率はどのくらいですか」
  • 「繁忙期の残業は、月にどのくらいですか」
  • 「出張の頻度と範囲を教えてください」

1つめで、日常の働き方が決まります。

前職の経験で活きるもの

異業種からでも、書ける経験があります。

  • 数値を記録し、精度を確認した経験(品質管理、検査、点検)
  • 決められた手順を守り続けた経験(製造、医療、食品)
  • 期限のある報告書を作成した経験
  • 屋外での作業の経験

2つめが最も直結します。

分析の仕事では、手順を飛ばさないことがそのまま品質になります。前職で手順を徹底した経験があれば、具体的に書いてください。

7. 求人票で確かめる7項目

読むべき箇所は決まっています。

項目見るところ
分野環境、食品、建材、製品試験のどれか
職種現場中心か、実験室中心か
資格必須か歓迎か。取得支援の有無
免許運転免許が必須のことが多い
出張頻度と範囲
学歴・専攻理系の指定があるか
教育未経験者の受け入れ実績

6つめは、必ず確認してください。

「化学系の専攻」を必須にしている求人と、不問の求人があります。

記載がない場合

現場と実験室の比率が書かれていない求人は多くあります。

面接で「入社1年目は、現場と実験室のどちらが多いですか」と聞いてください。

8. 志望動機の作り方

未経験からの応募では、3つを組み立てます。

要素書く内容
なぜこの領域か正確さや記録を扱った経験とのつながり
なぜ分析・調査か測ること、記録することを選ぶ理由
なぜこの会社か扱う分野、地域、資格の支援

2つめが最も差がつきます。

作る仕事ではなく、確かめる仕事を選ぶ理由を、自分の言葉で説明できると伝わります。

例文の骨組み

「前職では品質管理として、製品の検査と記録を担当していました。決められた手順を守り、数値を正確に残すことが、後の判断を支えると考えて取り組んでいました。分析の仕事も、測った数値がそのまま成果になる点が共通していると感じています。御社は環境分析を中心に、自治体の案件を多く扱われていると伺い、腰を据えて分野の知識を積める環境だと考えています。」

正確さを求められた経験と、この業界を選んだ理由がつながる形にしてください。

9. よくある質問

未経験・文系でも入れますか

入れます。分析補助や現場の採取担当であれば、資格なしで始められます。化学の基礎的な知識は入社後に学ぶ前提の会社が多くあります。ただし、求人によっては化学系の専攻を必須としているものもあるため、応募資格の記載を確認してください。

現場に出る仕事ですか、実験室の仕事ですか

会社と職種によって違います。多くの会社では両方を担当し、若手のうちは現場の比率が高く、経験を積むと分析や報告の比重が上がります。面接で「入社1年目は、現場と実験室のどちらが多いですか」と確認してください。

運転免許は必要ですか

多くの求人で必須になります。現場への移動に社用車を使うためです。取得予定であれば、その旨を書類に書き、入社日までに間に合うかを相談してください。実験室中心の職種であれば、必須でない場合もあります。

資格はいつ取ればいいですか

入社後に取る人が多い業界です。まず危険物取扱者などの基礎的な資格から始め、実務経験を積んでから環境計量士などの上位資格に進む順番が一般的です。受験費用を負担する制度があることが多いため、面接で確認してください。

繁忙期はいつですか

公共の案件が多い会社では、自治体の年度末である1〜3月に集中します。この時期の残業がどのくらいかを面接で確認してください。民間中心の会社では、季節の偏りが比較的小さくなります。求人票で公共と民間の比率を見ると、傾向が読めます。

景気の影響を受けにくいというのは本当ですか

法令や基準にもとづく定期的な測定が需要の中心にあるため、他業界と比べて変動は小さいとされます。ただし、公共事業の予算や、顧客となる業界の状況には影響を受けます。安定を求める場合も、扱う分野と顧客の構成を確認してください。

実験室の仕事は、どんな1日ですか

決められた手順に沿って機器で測定し、結果を記録する作業が中心です。測定に時間がかかるものもあり、待ち時間に別の準備を進めます。手順を飛ばさないこと、記録を正確に残すことが最も重視されます。集中して作業する時間が長い職種です。

3年後、どんな選択肢がありますか

社内で分析の専門性を高める道、資格を取って管理職に進む道、メーカーの品質管理部門へ移る道、建設コンサルタントへ移る道があります。測定と記録の経験は、品質管理の分野で広く評価されます。担当した分野と件数を記録しておいてください。

10. まとめ:現場と実験室の比率を先に確認する

今週やる3つのこと

環境・食品・建材・製品試験のどの分野を見るかを決める

正確さや記録を求められた経験を、具体的に書き出す

求人票で、専攻の指定と運転免許の要否を確認する

この業界は、制度に支えられた需要があり、未経験からの入口もあります。

ただし、現場と実験室の比率で働き方がまったく変わります。入社1年目の比率を、面接で必ず確認してください。

なお、法令や資格制度に関する記述は一般的な整理です。詳細は各制度の所管機関に確認してください。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。