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業界・職種研究

自動車業界へ転職|第二新卒が変化の中で職種と位置を選ぶ【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月6日 読了 約15分
自動車業界へ転職|第二新卒が変化の中で職種と位置を選ぶ【2026年版】

自動車業界は、日本で最も裾野が広い産業の一つです。

そして、いま最も変化が大きい業界でもあります。

電動化、車載ソフトウェアの比重の増加、サービス化。

この変化は、応募者にとって不利な話ではありません。

変化があるということは、新しい職種の採用があるということです。

実際、この業界では従来の機械系の技術者だけでなく、ソフトウェア、電気、企画、データを扱う人材の採用が増えています。

そして、文系でも入れる職種は複数あります。

ただし、「自動車業界」という括りで応募先を探すと、うまくいきません。

完成車メーカー、部品メーカー、販売会社。この3つは、仕事も採用の状況も全く違います。

この記事では、3つの位置の違い、変化の中身、文系でも入れる職種、他業界からの翻訳方法を整理します。

1. 結論:確認することは3つ

1. どの位置の会社かを決める。完成車、部品、販売で全く違います。

2. 職種を決める。理系要件の有無は職種で決まります。

3. その会社が変化にどう対応しているかを確認する。

3番目が、この業界では特に重要です。

電動化により、必要とされる部品が変わります。

従来のエンジン関連の部品を主力にしている会社と、電動化に対応した製品を伸ばしている会社では、今後の見通しが違います。

確認すること見る場所
主力製品事業内容
電動化への対応直近のプレスリリース
顧客の構成取引先の記載
海外の比率事業所の一覧

これらは公開情報から読み取れます。

2. 3つの位置の違い

位置何をするか会社の数
完成車メーカー車を設計し組み立てる少ない
部品メーカー部品を作る非常に多い
販売会社(ディーラー)車を売る、整備する多い

2行目が、この業界の実態です。

1台の車には、多数の部品が使われています。

そして、その部品を作る会社が階層をなして存在しています。

完成車メーカーに直接納める会社、そこに納める会社、さらにその下。

求人の数で見ると、圧倒的に部品メーカーが多い。

部品メーカーは知名度が低い

そして、部品メーカーの多くは消費者に知られていません。

特定の部品で世界的なシェアを持つ会社でも、社名を知らないことが普通です。

これは応募者にとって有利です。応募が集まりにくいためです。

求人票の事業内容を読んで、「何の部品を、誰に納めているか」を確認してください。

3. 電動化による変化

この変化の意味を、正しく理解してください。

領域変化
エンジン関連の部品需要が減る方向
電池・モーター関連需要が増える方向
車体・内装大きな変化は少ない
電子部品・ソフトウェア比重が増える
整備求められる技能が変わる

1行目に該当する部品を主力にしている会社は、事業の転換が課題になります。

ただし、これは「そういう会社を避けるべき」という意味ではありません。

転換に取り組んでいる会社では、その取り組みを担う人材の採用があります。

確認すべきは、「変化を認識して手を打っているか」です。

直近1年のプレスリリースを見れば、それが分かります。

面接で聞くこと

「電動化への対応について、御社ではどのような取り組みをされていますか」

この質問への答えが具体的な会社と、曖昧な会社で明確に差が出ます。

そして、この質問をすること自体が、業界を理解している応募者として受け取られます。

4. 文系でも入れる職種

職種理系要件仕事の中身
営業(法人向け)なし完成車メーカーへの提案
生産管理なしの場合が多い生産計画、在庫、納期
購買・調達なし部品や材料の調達
品質保証職種による品質の管理、顧客対応
物流なし部品の輸送、在庫
管理部門なし経理、人事、法務
設計・開発あり部品や車両の設計
生産技術あることが多い製造工程の設計

1行目に補足します。

部品メーカーの営業は、完成車メーカーの技術者や購買担当と折衝します。

単価の交渉と、仕様の調整が業務の中心です。

新規開拓より、既存の取引を維持し広げることが求められます。

だから、長期的な関係を作った経験が評価されます。

生産管理と購買が入口として広い

この業界では、部品の点数が多く、納期の管理が極めて重要です。

1つの部品が遅れると、完成車の生産が止まります。

だから、生産管理と購買の職種は常に人を必要としています。

他業界で在庫や納期を管理した経験があれば、そのまま材料になります。

5. 他業界からの翻訳

前職翻訳できる経験
製造工程の管理、品質、安全
物流納期の管理、在庫
法人営業技術部門との連携、長い取引
品質管理基準の確認、記録、是正
事務・管理書類の処理、正確さ
ディーラー・整備業界の理解、現場の知識

6行目に注目してください。

販売や整備の経験がある人は、この業界の川上(メーカー側)に移る選択肢があります。

現場で車を見てきた経験は、メーカー側では持っていない視点です。

「前職では自動車ディーラーで整備を担当し、実際に不具合が起きる箇所を日常的に見ていました。設計や品質の側から、その手前で防ぐ仕事に関わりたいと考えています」

この志望動機は、部品メーカーの品質保証や生産管理で強く効きます。

「納期を守った経験」を数字で

この業界で最も評価される材料です。

「前職では月間約2万点の製造工程の進捗を管理し、納期遅延を月8件から2件に減らしました」

数字が入っていることが重要です。

6. 働き方と年収の実際

項目傾向
年間休日120日前後の企業が多い
勤務地工場は地方に立地することが多い
交代勤務製造職ではある場合
転勤工場と本社の異動がある場合
年収大手は他業界と比べて高めの傾向

2行目に注意してください。

自動車関連の工場は、特定の地域に集積しています。

本社が都市部でも、生産管理や品質保証の配属先は工場になる場合があります。

勤務地の希望がある場合は、応募前に確認してください。

また、この業界には長期休暇の制度が整っている企業が多い傾向があります。

生産ラインを止める期間に合わせて、まとまった休暇が取れる形です。

7. 応募先の選び方

基準見る場所
位置完成車/部品/販売
主力製品事業内容
電動化への対応プレスリリース
顧客の構成特定1社に依存していないか
勤務地本社/工場

4行目が重要です。

部品メーカーの中には、売上の大半が特定の完成車メーカー1社という会社があります。

この場合、その1社の状況に事業が大きく左右されます。

複数の完成車メーカーと取引がある会社のほうが、変動への耐性があります。

これは、会社概要や事業内容の記載から読み取れる場合があります。

海外比率も見る

この業界では、海外での生産と販売の比重が大きい企業があります。

海外比率が高い企業では、将来的に海外勤務の可能性があります。

これを機会と見るか制約と見るかで、判断が変わります。

事業所の一覧を見れば、おおよその状況が分かります。

8. 進め方と時間配分

時期やること
1週目位置と職種を決める
2週目応募候補の主力製品と顧客構成を調べる
3週目前職の「納期・品質・安全」の経験を書き出す
4週目応募、面接で電動化への対応を確認

2週目を飛ばさないでください。

この業界では、会社の位置と主力製品によって、今後の見通しが大きく変わります。

そして、その情報は公開されています。

事業内容とプレスリリースを読むだけで、かなり判断できます。

志望動機の作り方

「車が好き」を中心に置かないでください。

この業界では、それは前提として扱われます。

使える型は3つです。

中身
ものづくりの現場に関わりたい前職の製造経験と接続
変化の時期に関わりたい電動化の理解を示す
川上に移りたい販売・整備の経験がある場合

2番目が、いまのこの業界では最も評価されます。

9. よくある質問

Q. 文系でも自動車業界に入れますか

職種を選べば入れます。

営業、生産管理、購買、物流、管理部門では理系要件がない求人が多くあります。設計と生産技術は理系要件があります。

Q. 電動化で業界は縮小しますか

領域によって方向が違います。

エンジン関連は需要が減る方向、電池やモーター関連は増える方向です。応募先がどの領域かを確認してください。

Q. 部品メーカーは知名度が低いですが大丈夫ですか

問題ありません。

特定の部品で高いシェアを持つ会社が多く存在します。事業内容とシェアの記載を確認してください。

Q. 勤務地は工場になりますか

職種によります。

生産管理、品質保証、生産技術は工場配属が多い。営業や管理部門は本社・支店の場合が多くあります。

Q. 年収はどのくらいですか

企業規模と位置で幅が大きく、一律には言えません。

大手完成車メーカーと、下位の部品メーカーでは差があります。求人票の給与レンジを確認してください。

Q. ディーラーからメーカーに移れますか

可能性はあります。

現場で車を見てきた経験は、メーカー側にはない視点です。品質保証や生産管理での応募を検討してください。

Q. 海外勤務はありますか

海外比率が高い企業では、可能性があります。

事業所の一覧を見れば、おおよその状況が分かります。面接で確認してください。

Q. ソフトウェアの経験は活きますか

強く活きます。

車載ソフトウェアの比重が増えており、この領域の人材の採用が増えています。IT業界からの転換も現実的な選択肢です。

10. まとめ:今週やる3つのこと

1. 完成車・部品・販売のどこを狙うかを決める。求人の数で見れば、部品メーカーが圧倒的です。

2. 応募候補の主力製品と、顧客が1社に依存していないかを確認する。公開情報から読み取れます。

3. 前職の「納期を守った」「品質を確認した」経験を数字で書き出す。この業界で最も評価されます。

「車が好き」は前提として扱われます。変化を理解していることを示すほうが、はるかに評価されます。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。