ドラッグストア・調剤薬局へ転職する|第二新卒が店舗以外の職種を知る【2026年版】
〜薬剤師でなくても、担える職種があります〜
「薬に関わる仕事は、資格がないと無理」
そう考えて、この業界を選択肢から外している人は多くいます。
実際には、店舗の運営、本部の業務、資格を取ってからの販売など、複数の入口があります。そして、業界の性質上、店舗数の多い企業では人員の需要が続いています。
この記事では、業態の違いと、無資格から入れる職種を整理します。
なお、医薬品の販売に関する制度の記述は一般的な整理です。個別の判断は各企業や関係機関に確認してください。
1. 結論:押さえるのは3つ
この業界を見るときの3つの視点
① ドラッグストアと調剤薬局では、業態がまったく違う
② 店舗職と本部職で、仕事の中身が変わる
③ 登録販売者の資格が、入口を広げる
①を混同すると、志望動機がぼやけます。
ドラッグストアは小売業、調剤薬局は医療に近い業態です。
2. 業態の違い
同じ「薬局」でも、収益の作り方が違います。
| 業態 | 主な収益 | 仕事の性質 |
|---|---|---|
| ドラッグストア | 日用品、化粧品、食品の販売 | 小売業。品揃えと売場作り |
| 調剤併設型ドラッグストア | 販売+処方箋の調剤 | 両方の性質を持つ |
| 調剤薬局 | 処方箋に基づく調剤 | 医療に近い。地域の医療機関と連携 |
| 医薬品の卸 | 薬局や病院への供給 | 法人向けの営業と物流 |
ドラッグストアの売上は、医薬品だけで成り立っていません。
日用品や食品の比率が高く、実態としてはスーパーに近い運営になります。
志望動機を分ける
- ドラッグストアなら:小売の仕組み、品揃え、店舗運営
- 調剤薬局なら:地域の医療への関わり、患者との接点
「薬に興味がある」だけでは、どちらにも当てはまらず伝わりません。
業界の変化を知っておく
面接で話す材料になります。
| 変化 | 何が起きているか |
|---|---|
| 調剤の併設が進む | ドラッグストアが処方箋を扱う店舗を増やしている |
| 食品の比率が上がる | 生鮮を扱う店舗が増え、スーパーとの境界が薄れている |
| 企業の統合 | チェーン同士の合併や資本提携が続いている |
| セルフ化 | レジや在庫管理の自動化が進んでいる |
これらは各社の発表資料や決算資料で確認できます。
志望する企業がどの方向に力を入れているかを見ておくと、志望動機が具体的になります。
3. 店舗職の中身
店舗で働く場合の業務です。
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| 接客・レジ | 商品の案内、会計 |
| 品出し・発注 | 在庫の管理、売れ筋の把握 |
| 売場作り | 陳列、季節の展開 |
| 医薬品の販売 | 登録販売者または薬剤師が対応 |
| 調剤の補助 | 調剤薬局での事務、受付 |
4つめには資格が必要ですが、それ以外は無資格でも担当できます。
店長までの道のり
チェーン企業では、店長までの流れが設計されていることが多くあります。
| 段階 | 期間の目安 | 担当すること |
|---|---|---|
| スタッフ | 半年〜1年 | 接客、品出し、レジ |
| サブリーダー | 1〜2年 | 発注、シフトの一部 |
| 副店長 | 2〜3年 | 売上管理、スタッフの育成 |
| 店長 | 3年以降 | 店舗の損益、人員配置 |
店長になると、店舗の損益を見る立場になります。
この経験は、他業種の店舗運営にも移せる材料になります。
4. 本部職の中身
店舗以外の職種もあります。
| 職種 | 業務の内容 |
|---|---|
| バイヤー・商品部 | 商品の選定、仕入れ交渉 |
| 販売促進・マーケティング | 販促の企画、チラシ、アプリ |
| 店舗開発 | 新規出店の物件開拓 |
| 物流・在庫管理 | 配送、在庫の最適化 |
| 人事・教育 | 採用、研修の設計 |
| 情報システム | 店舗のシステム、データ活用 |
本部職は、店舗を経験してから移ることが一般的です。
いきなり本部で採用される求人は多くありません。
店舗から本部へ移る条件
- 店長までの経験があること
- 数字を扱った実績があること
- 社内公募や異動の制度があること
「本部への異動実績はありますか」と面接で聞くと、道があるかが分かります。
5. 登録販売者という資格
入口を広げる資格です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何ができるか | 一般用医薬品の一部を販売できる |
| 受験資格 | 学歴・実務経験の制限は原則なし |
| 試験 | 都道府県ごとに実施 |
| 取得後 | 一定期間の実務経験を経て、単独で対応できる |
| 手当 | 資格手当が出る企業が多い |
この資格があると、採用の間口が広がります。
入社後に取得を支援する企業も多くあります。
取得のタイミング
- 入社前に取る:応募の段階で有利になる
- 入社後に取る:企業の支援を受けられることがある
どちらでも構いませんが、費用の支援がある場合は退職時の扱いを確認しておいてください。
なお、資格の要件や販売できる範囲は制度によって定められています。詳細は各都道府県の窓口や関係機関に確認してください。
6. 働き方の実際
小売業としての性質が出ます。
| 項目 | 実際 |
|---|---|
| 勤務時間 | シフト制。早番・遅番がある |
| 休日 | 週休2日が中心。土日は出勤が多い |
| 立ち仕事 | 店舗職は基本的に立ち仕事 |
| 転勤 | エリア内の異動がある企業が多い |
| 繁忙 | 季節や感染症の流行で変動する |
調剤薬局は、医療機関の診療時間に合わせるため、日曜が休みの店舗もあります。
ドラッグストアは年中無休が多く、シフトの組み方が違います。
面接で確かめること
- 「シフトはどのように決まりますか」
- 「転勤の範囲はどのくらいですか」
- 「1店舗あたりの人員は何名ですか」
- 「本部への異動実績はありますか」
2つめは、生活の設計に直結します。
他業種から入る場合の材料
小売の経験がなくても、書ける経験があります。
- 接客の経験(飲食、アパレル、携帯ショップ)
- 在庫や発注を扱った経験
- シフトを組んだ経験
- 数字の目標を持って働いた経験
「1日◯人に対応し、客単価を△円上げた」のように、数字で書ける経験が最も強い材料になります。
7. 求人票で確かめる7項目
読むべき箇所は決まっています。
| 項目 | 見るところ |
|---|---|
| 業態 | ドラッグストアか調剤薬局か、併設か |
| 職種 | 店舗職か本部職か |
| 資格 | 登録販売者が必須か歓迎か |
| 転勤 | 範囲の記載 |
| シフト | 早番・遅番の時間帯 |
| 年間休日 | 105日か120日かで大きく違う |
| キャリアの道 | 店長までの期間、本部への道 |
6つめの年間休日は、業態と企業によって差があります。
シフト制の職種では、この数字が働き方を最も正直に示します。
記載がない場合
キャリアの道筋が書かれていない求人は多くあります。
「店長になられた方は、平均で何年目ですか」と聞くと、実態が分かります。
8. 志望動機の作り方
未経験からの応募では、3つを組み立てます。
| 要素 | 書く内容 |
|---|---|
| なぜ小売・医療の領域か | 前職の経験とのつながり |
| なぜこの業態か | ドラッグストアか調剤薬局かの理由 |
| なぜこの企業か | 出店の方針、扱う商品、教育の設計 |
2つめが最も差がつきます。
小売の仕組みに関心があるならドラッグストア、地域の医療への関わりなら調剤薬局と、方向がはっきりします。
例文の骨組み
「前職ではアパレルの販売として、売場作りと在庫の管理を担当していました。1点あたりの単価が高い商材だったため、来店客数より在庫の回転を意識していました。日用品と食品の比率が高いドラッグストアでは、回転を見る視点がそのまま活きると考えています。御社は生鮮を扱う店舗を増やしていると伺い、売場作りの幅が広がる環境だと感じています。」
前職での数字の見方と、この業態を選んだ理由がつながっている形にしてください。
9. よくある質問
資格がなくても働けますか
働けます。接客、品出し、発注、売場作りといった業務は資格なしで担当できます。医薬品の販売には登録販売者または薬剤師の資格が必要ですが、入社後に取得を支援する企業も多くあります。まずは無資格で入り、働きながら取得する人が多い業界です。
ドラッグストアと調剤薬局は、どちらを選ぶべきですか
仕事の性質が違うので、関心の方向で決めてください。ドラッグストアは小売業に近く、品揃えや売場作りが中心になります。調剤薬局は医療に近く、地域の医療機関や患者との関わりが中心です。志望動機も、どちらを選ぶかで書き方が変わります。
登録販売者の資格は、いつ取ればいいですか
入社前に取ると応募の段階で有利になり、入社後に取ると企業の支援を受けられることがあります。どちらでも構いません。ただし、費用の支援がある場合は、退職時に返還を求められる規程があるかを確認しておくと、後で迷いません。
店舗から本部へ移れますか
企業によります。店長までの経験を積んでから、社内公募や異動で移る形が一般的です。面接で「本部への異動実績はありますか」と聞いてください。実際に移った人がいるかどうかで、道があるかが分かります。実績がない企業では、時間がかかる可能性があります。
転勤はありますか
チェーン企業では、エリア内の店舗異動があることが多くなります。範囲は企業によって大きく違い、市内に限られる場合もあれば、全国規模の場合もあります。求人票に記載がなければ、面接で「転勤の範囲はどのくらいですか」と必ず確認してください。
土日は休めますか
ドラッグストアは年中無休の店舗が多く、土日の出勤が中心になります。調剤薬局は医療機関の診療時間に合わせるため、日曜が休みの店舗もあります。生活のリズムに関わる部分なので、シフトの組み方を面接で確認してください。
販売職の経験は活きますか
活きます。売場作り、在庫の管理、接客はそのまま同じ業務です。特に、在庫の回転や客単価を意識して動いた経験があれば、書類に書ける材料になります。数字を使って、どう考えて何をしたかを具体的に書いてください。
店長になるまで、どのくらいかかりますか
企業と本人の進み方によりますが、3年前後を目安としている企業が多くあります。面接で「店長になられた方は、平均で何年目ですか」と聞くと、実態に近い答えが得られます。店舗数が増えている企業ほど、早く任される傾向があります。
10. まとめ:業態と職種を分けて考える
今週やる3つのこと
① ドラッグストアと調剤薬局のどちらを見るかを決める
② 前職で数字を見て動いた経験を、具体的に書き出す
③ 求人票で、転勤の範囲と年間休日を確認する
薬剤師でなくても、この業界には複数の入口があります。
ただし、業態と職種で仕事の中身がまったく変わります。どちらを選ぶかを先に決めてから、企業を見てください。
なお、医薬品の販売や資格の制度に関する記述は一般的な整理です。個別の判断は各企業や関係機関に確認してください。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。